2016年12月 No.99
 

熊本地震の被災地支援へ、塩ビ管リサイクル費用を補助

「塩化ビニル管・継手リサイクル処理補助制度」の運用開始
(塩化ビニル管・継手協会)

制度の創設について記者発表する田畑会長
制度の創設について記者発表する田畑会長(左から2人目。右隣は醍醐専務理事。10月21日、塩化ビニル管・継手協会)
 塩化ビニル管・継手協会は10月21日、今年4月に発生した熊本地震被災地への支援を目的とする「塩化ビニル管・継手リサイクル処理補助制度」を創設し、即日運用を開始しました。この制度は、地震によって廃材となった上下水道等の塩ビ管・継手(以下、塩ビ管)を、製品としてリサイクル処理するために必要な事業費用(回収、中間処理、運搬、リサイクル等)の一部を補助するもので、総額1,500万円規模の事業となります。

●本邦初の取組。重度被災地への支援金も

 4月14日未明に発生した最大震度7の地震、およびそれに続く一連の地震活動により、熊本県内では、上下水道等のライフラインも大きな被害を受けました。今回創設された補助制度は、今後の復旧工事の本格化に合わせ、塩化ビニル管・継手の関連業界が一体で、塩ビ管廃材処理の円滑化とリサイクルによる資源の有効活用、環境問題への積極的対応を目ざすもので、被災自治体が行う復旧工事の発注(請負契約)とは別枠の独自の支援制度となります。
 具体的には、協会が認定した復旧工事業者、中間処理業者、リサイクル処理業者が行う、廃材の回収や汚れ落とし、運搬、粉砕、再生品化などの作業ごとに所定の金額を補助(前頁のスキーム図参照)する内容で、地震発生後、制度の運用開始以前に実施した工事についても遡及適用されることになっています。
 今回の事業について協会の醍醐専務理事は「これまでも新潟中越地震、東日本大震災などで支援活動を行ってきたが、今回のような補助制度はじめて。まさに本邦初の取組であり、関係省庁、自治体などの関係者からも高い評価をいただいている」と説明しています。
 なお、協会では補助制度以外に被災地への支援金(総額600万円)も計上しており、被害の大きかった熊本市、益城町、西原村など8自治体の復興に役立てていく考えです。

塩化ビニル管・継手リサイクル処理補助制度のスキーム
<拡大図>

塩化ビニル管・継手リサイクル処理補助制度の運用要領(抜粋)

■補助対象業務
熊本市、益城町、西原村、宇土市、宇城市、嘉島町、御船町、阿蘇市(ただし、被災地の自治体等から要望があった場合は追加)における塩ビ管の廃材の回収、運搬、リサイクル処理に係る業務
■補助対象事業者
以下に該当する事業者で、協会が認定した者(「認定事業者」)
@復旧工事業者 ‌自治体からの発注を受けた上下水道等の復旧工事業者で、廃材の中から塩ビ管を汚れ落とし・切断する事業者
A中間処理業者 ‌‌産業廃棄物処理の許可業者で、@の工事業者が汚れ落とし・切断した塩ビ管の廃材から異物除去を行った塩ビ管を、Bのリサイクル処理会社Aに運搬し、搬入する事業者。
Bリサイクル処理業者A ‌原則、熊本県内に所在し、Aの中間処理業者から受け入れた塩ビ管を、粉砕まで行う事業者
Cリサイクル処理会社B ‌協会から受け入れた塩ビ管の粉砕品を、製品加工まで行う事業者
■補助対象経費
各補助対象事業者ごとに所定の額を協会が補助する(前頁のスキーム図参照)。上限は総額1,500万円。
■補助対象期間
平成28年10月21日から平成29年3月31日までに実施した補助対象事業に対して補助を行う。なお、補助対象業務が平成29年度以降に発生した場合には、当該業務の終了日までを対象とする。
■認定申請および認定通知
補助対象事業者としての認定を受けようとする者は、所定の様式により協会に認定申請を行う。 協会は、認定の可否について当該申請者に通知する。

■塩化ビニル管・継手の普及・啓発活動、28年度計画まとまる

硬質塩化ビニル管・継手資料 水道編

 28年度の塩ビ管普及・啓発活動計画がまとまりました。協会では、25年度からの3カ年計画で76カ所(385部署)の自治体を訪問。RRロング等の管耐震性訴求(上水道)、未普及地域の解消(下水道)、使用実態の把握(農業用水)などを進めてきましたが、28年度は3カ年の成果を踏まえた上でピンポイント的に地域を絞り込み、普及・啓発の効果を上げていく方針。特にこれまで遅れていた農業用水については「しっかり実態調査してニーズの把握に努める」計画です。概要は次のとおり。

■ ‌水道 耐震性の観点から東日本大震災以降も塩ビ管を採用している自治体(宮城、福島、茨城県の8自治体)を訪問し情報収集と意見交換を行う(28年11月〜29年1月頃)。その結果をまとめ、塩ビ管の使用実態と利点を他の自治体に周知する(29年5月末まで)。
■ ‌下水道 国土交通省が推進している「下水道クイックプロジェクト」のモデル自治体等を訪問し、実情や問題点を把握する(28年11月〜29年1月頃まで)。その結果をまとめ、塩ビ管の利点を他の未普及地域の自治体に周知する(29年5月末まで)。
■ ‌農業用水 塩ビ管の使用実態を複数の自治体への訪問ヒアリングにより把握する(28年11月〜29年2月頃まで)。その結果を踏まえ効果的な普及・啓発活動策を検討(29年5月末まで)
■ ‌その他 水道、下水道、農業用水別に塩ビ管の特長、利点を説明した改訂版「普及・啓発用パンフレット」を作成し全国の自治体に配布する。自治体向けの講習会等も随時実施。