2009年6月 No.69
 

●塩ビパイプが表現する衝撃のモダンアート/テオ・ヤンセン展

 潮風をエネルギーに海辺を這い歩く塩ビパイプの新生命体?オランダ人のキネティック(動く美術品)アーティスト、テオ・ヤンセン氏の作品展が、1月17日〜4月12日まで、東京千代田区の日比谷パティオ特設会場で開催され、美術愛好家らの注目を集めました。
 同氏が製作するのは、塩ビパイプをプラスチックチューブで繋ぎ合わせた「ビーチアニマル」と呼ばれる動物風の動くオブジェ。2004年に欧州の自動車メーカーの宣伝に取り上げられてから世界的に知られるようになったもので、手動や風力を利用して多数の足を動かし歩く様はまさに“新生命体”そのもの。まるでSF映画の一場面を見るかのようなインパクトです。
 同氏がビーチアニマルの素材に塩ビパイプを選んだのは、手で自在に曲げることができて、水に強く劣化しにくい上、浜風の塩分にも強く、どこでも安価に手に入ること、などが主な理由とのこと。
 今回の作品展では、主要作品のうち13点が日本初公開となりましたが、中には使用済みペットボトルに蓄えた風力をエネルギーとして半永久的に動くものもあり、来場者は自分の手で展示作品を動かしてみたり、興味深げに内部構造を覗き込んだりして、塩ビパイプが表現するファンタジックなモダンアートの世界に浸っていました。

 
話題を集めたテオ・ヤンセン展 風力で動くビーチアニマル
    (C) Theo Jansen

●サイディングなど塩ビ建材をPR/第15回「建築・建材展」  

 樹脂サイディング普及促進委員会(以下、委員会)は、3月3日〜6日まで、江東区・有明の東京ビッグサイトで開催された「建築・建材展2009」(主催;日本経済新聞社)に出展。「環境配慮型プラスチック塩ビでエコライフ」「超・長寿命 塩ビ樹脂サイディング」をメインテーマに、塩ビサイディングをはじめとする塩ビ建材の有用性をPRしました。
 同展は、「安全・安心な住宅・建物づくり」に関するさまざまな情報発信の場として知られるもので、第15回目を迎えた今回は計278社が出展。期間中、委員会の展示ブースでは、来場者の体験スペースとして、サッシやサイディング、壁紙、床材など隅々まで塩ビ建材を施工した「塩ビミニハウス」を会場の一画に設置。さらにパネル展示などもまじえて「省エネ、健康、長寿命でリサイクルにも適した塩ビ」をアピールしました。
 「今年は3日間で2000人を超える来場者がブースを訪れたが、中でも塩ビミニハウスに関する質問が多く、塩ビ建材が環境に優しい身近な製品であることや、様々な形でリサイクルされていることなどを十分納得してもらえたと思う。昨年と同様、一般消費者や企業関係者と双方向のコミュニケーションができたことが大きな収穫だった」(委員会関係者)。

 
展示ブースの全景 塩ビミニハウス(左)が注目の的