2002年3月 No.40
 
 

★ 講演活動報告/「環境経済・政策学会」で塩ビのLCA調査結果を紹介

 

  環境経済・政策学会(会長=佐和隆光京都大学教授)の2001年大会が、昨年9月29〜30日の2日間、国立京都国際会館で開催されました。同大会は、環境問題に関する研究成果の発表と情報交換などを目的に毎年開かれるもので、今回は幅広い関連分野から170件に上る報告が寄せられた中、塩ビに関しては、塩化ビニル環境対策協議会(JPEC)および塩ビエ業・環境協会(VEC)から酒井清次氏(信越化学工業)が、「塩ビ製品のLCI調査事例」と題して、塩ビ業界がこれまで取り組んできたLCA(ライフサイクルアナリシス)関係の研究結果を報告(29日)。
 原料採取からリサイクルまで各段階の環境負荷(資源エネルギー消費、環境負荷物質や廃棄物の排出)を積み上げるインベントリデータ調査結果の概要を説明した上で、「LCA的にみるとマテリアル・リサイクルは評価されるべきであり、マテリアル・リサイクルしやすい塩ビは、塩ビパイプや農業用ビニルをはじめ硬質・軟質ともに最もリサイクルが進んでいる」「高炉原料化などのフィードストック・リサイクル技術についても工業化のレベルに達している」などとして、塩ビがリサイクルの多様性において最も誇れる材料であることを訴えました。
 報告を行った酒井氏は、「この学会は単なる研究成果の発表だけではなく、権威者との討論形式を組み込んでいるのが特徴。全般的に発表内容に関しては遠慮のない議論が交わされる。私が報告を行ったセッションでも、国立環境研究所循環型社会形成推進・廃棄物研究センターの酒井伸一所長と同志社大学経済学部の郡嶌孝教授が討論者として参加しており、発表者としては正直なところどのような質疑が行われるか緊張したが、リサイクルなどについても質問があり、塩ビの原料からリサイクルまでのライフサイクルについての私たちの研究成果報告の趣旨は十分理解されたと思う。ただ、学会に参加するようなレベルの専門家でも『塩ビといえばダイオキシン』といった発言をする人もあって、塩ビ業界の一層の広報の必要性を感じた」と感想を述べました。

 

★ 日欧環境セミナー「サステイナビリティの達成に向けて」を開催(国連大学他)

 

  持続可能な社会の実現に向けた経済活動のあり方などをテーマとした、日欧環境セミナー「サステイナビリティの達成に向けて」(国際連合大学、地球環境戦略研究機関、環境科学会共催)が、昨年12月3日、東京・青山の国連大学本部国際会議場で開催されました。
 セミナーでは、経済産業省大臣官房の大井篤審議官、ドイツ連邦議会議員のエルンスト・ウルリッヒ・フォン・ワイツゼッカー博士、仏ファクター・テン研究のフリードリヒ・シュミット・ブレーク教授の3氏が、日欧それぞれの政府・企業レベルでの取り組みの現状、経済活動と環境を両立させるための戦略などについて持論を展開したほか、およそ200名の参加者との間で活発な意見交換が行われました。