1999年9月 No.30
 
 

 塩ビ管・継手リサイクル協力会社のプロフィール《シリーズ第2回》
   塩ビ管再生にかける各社の意気込みと協会への期待

 

    塩ビ管・継手リサイクル事業の協力会社全12社の横顔を特集する連載企画の第2回は、前号でご紹介できなかった8社を一挙掲載します。粉砕専門、ペレット製造専門、再生管までの一貫生産と事業形態は様々ですが、各地域で塩ビ管リサイクルの最前線を担う意気込みと、事業の中核である塩化ビニル管・継手協会への期待は、全社に共通する姿勢と言えます。  

 

(株)ムサシノ化学
  北海道の塩ビ管リサイクル拠点

 【代 表 者】菊地寿好
 【設  立】昭和45年創業(平成2年法人化)
 【所 在 地】北海道夕張郡栗山町富士36
 【電  話】01237―2―4899
 【事業概要】北海道の塩ビ管リサイクル拠点。使用済み塩ビサッシなどを粉砕してペレット製造会社に販売してきた経験を生かして、新たに塩ビ管再生への取り組みを開始します。
 【菊地社長のお話】協会が率先して塩ビ管のリサイクルを進めることを高く評価する。
 協会には、地域ごとに使用済み塩ビ管の集積体制を整備して、確実に廃材を収集し、安定供給体制をつくっていただければ我々も安心して設備投資できます。当社もリサイクルを通じて環境問題解決のために協力を惜しまないつもりです。

 

太陽商事(株)
  バージン管の用途別に識別表示を

 【代 表 者】椎葉正男
 【設  立】昭和57年創業(平成10年法人化)
 【所 在 地】宮城県白石市大町稲荷山108
 【電  話】0224―25―9898。
 【事業概要】同社では、使用済み塩ビ管や塩ビ窓枠などをペレットに再生し(月産約250トン)、再生管やシートなどの原料として販売しています。東北における塩ビ管リサイクル拠点。
 【椎葉社長のお話】塩ビのリサイクルは絶対に必要な仕事であり、使い捨ての時代は一時も早く改めなければならない。協会には、再生品が市民権を得るために県や国との折衝を期待する。また、バージン管メーカーは下水、上水など用途別に分かりやすい識別表示を実施してほしい。将来は当社も再生管製造を含めた一貫システムを整備し、地域の中でリサイクルを完結したいと考えている。

大洋化学工業(株)
  塩ビ管のリサイクル一筋に40年

 
 【代 表 者】清水増藏
 【設  立】昭和37年
 【所 在 地】埼玉県新座市畑中2―6―22
 【電  話】048―478―4721
 【事業概要】塩ビ管のリサイクル一筋に約40年。現在同社では、処理能力月産約300トンの設備を生かして、粉砕〜再生管製造までの一貫生産に取り組んでいます。
 【清水社長のお話】時代環境はリサイクルに追い風だが、事業は決して楽ではない。
 そんな時に、協会が自ら塩ビ管リサイクルに立ち上がったことは、遠くに灯りが見えた感じで精神的に非常に楽になった。排水管用に制定された協会規格も、再生管に対する行政や設備業者の認知度の向上という点で大いに期待できる。協会は、全国の市町村に向けて事業のPR活動を強化してほしい。

   

(株)豊和化学工業所
  九州地区で唯一の塩ビ管リサイクル拠点

 
 【代 表 者】竹下學龍
 【設  立】昭和45年
 【所 在 地】愛知県小牧市下小針天神2―160
 【電  話】0568―72―8234
 【事業概要】塩ビを中心にプラスチック全般のリサイクル(ペレット製造)を幅広く手掛ける、中部地区の拠点。塩ビの取扱量は月産約300トン。昭和50年代には再生管製造に取りんだ経験も。
 【竹下社長のお話】再生管の製造を止めたのはリサイクルに対する社会の評価がまだ低かったから。
  塩ビは使いやすく、リサイクルも自助努力で最も進んでいる樹脂なのに、社会の認識はあまりに足りない。今は当社の活動が地元紙に取り上げられるなど状況も変わってきたが、行政の制度面での認知はまだ遅れている。行政をどこまで巻き込めるかが、協会の最大の仕事だと思う。

 

丸喜産業(株)
  協会に期待する「全国的な市場調整機能」

 
 【代 表 者】伊東 章
 【設  立】昭和42年創業(昭和45年法人化)
 【所 在 地】富山県高岡市下麻生葦附5858
 【電  話】0766―36―1464
 【事業概要】同社は塩ビからスタートして、各種プラスチックの再生、バージン原料の製造へと事業を拡大してきました。現在は月産1,000トンのプラスチック(うち塩ビ約100トン)をリサイクル。
 【伊東社長のお話】塩ビは成形性、リサイクル適性ともに優れたオールマイティーな樹脂で、再生品の市場も最も早くから確立していたが、協会の事業によりさらに効率的なリサイクルが可能になると思う。協会は既存の業界を生かしつつ皆が一緒に生きていけるよう全国的な市場調整機能を果たしてほしい。また、粉砕機を各地区に設置するなど輸送効率化のための取り組みも期待したい。

 

日進化学工業(株)
  関西における塩ビ管リサイクルの草分け

 
 【代 表 者】上井由美子
 【設  立】昭和39年創業(46年法人化)
 【所 在 地】大阪市平野区加美北6―15―34
 【電  話】06―6791―3401
 【事業概要】35年にわたって塩ビ管再生に取り組んできた、関西における塩ビ管リサイクルの草分け的存在。現在、月約100トンのペレットを製造し、ほぼ全量が再生管に利用されています。
 【上井社長のお話】仕事の内容は昔も今も同じだが、事業環境は大きく変化した。人々の環境意識が高まり、最近は自治体からも問い合わせがきている。こうした中で、協会の事業がスタートしたことを大いに評価したい。協会に望むのは、ペレットや再生管の需要ルート(特に自治体)を整備すること。協会とリサイクル業者お互いの経営が成り立って環境問題が改善されることを期待する。

 

(株)ダイサン リサイクルセンター
  地元の小学生も課外授業で工場見学

 
 【代 表 者】龍田義男
 【設  立】昭和45年
 【所 在 地】大阪市平野区加美東1―3―21
 【電  話】06―6792―0725
 【事業概要】同社では、塩ビ管をはじめとする使用済み塩ビ製品を粉砕してペレット加工業者に販売しています。処理量は月約400トン。この9月からは栃木県鹿沼市でも事業をスタートする予定。
 【龍田社長のお話】協会の事業に参加してから、持ち込みの問い合わせが増え、事業の間口が広がった。また、地元の小学生が課外授業で工場見学に訪れるなど地域の注目も高まっている。塩ビのリサイクルに対する社会の理解を少しでも高めるには、まず地域や子供へのPRが大切であり、協会にも協力してほしい。また、行政は塩ビのリサイクルを制度の中できちんと認知すべきだ。

 

金井産業(株)
  ボランティアの意気込みで頑張りたい

 
 【代 表 者】金井秋好
 【設  立】昭和27年創業(平成2年法人化)
 【所 在 地】山口県新南陽市若山2―2―13
 【電  話】0834―62―2778
 【事業概要】わら工芸品の販売から始まって、昭和46年、塩ビのリサイクルに着手。
 現在は塩ビ以外の樹脂も含め月約200トンの再生ペレットを製造し、再生管の原料などに販売しています。
 【金井社長のお話】使用済みの塩ビ製品は大切な資源だが、世間ではごみと考えている。このギャップが問題だ。協会はマスコミ対策を通じ意識改革に取り組んでほしい。また、会員各社や行政、研究機関などから、塩ビリサイクルのためのいろいろな提案、アイデアを汲み上げる機能を果たしてもらいたい。リサイクルは欲得だけではできない。半分はボランティアの意気込みで頑張りたい